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http://hdl.handle.net/10928/1643
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Title: | 日常生活世界におけるラディカルな異他性 : COVID-19危機の現象学的社会学 |
Other Titles: | Radical Alienness in the Everyday Life-World : A Phenomenological Sociology of the COVID-19 Crisis |
Authors: | 高艸, 賢 TAKAKUSA, Ken |
Keywords: | 新型コロナウィルス感染症 現象学的社会学 アルフレッド・シュッツ ベルンハルト・ヴァルデンフェルス 日常性 ラディカルな異他性 |
Issue Date: | Oct-2023 |
Publisher: | 成蹊大学 |
Abstract: | 本稿は「COVID-19パンデミック下の日常生活において日常性とは何を意味するのか」という問いに現象学的社会学の立場からアプローチする理論的研究である。現象学的社会学の利点は、COVID-19を人々が経験する社会的現実として記述できること、COVID-19危機を意味という観点から記述できることである。本稿はまず、日本のコロナ第1波前後の状況を取り上げ、アルフレッド・シュッツの枠組みによってこれを記述することを試みている。さらに本稿は、日常生活の再ルーティン化後においても依然として馴致されざる不透明性が残っていることを指摘しつつ、この状況をシュッツの枠組みでは十分に記述できないと論じる。そこで本稿は、シュッツの枠組みを補完するため、ベルンハルト・ヴァルデンフェルスの「ラディカルな異他性」という概念を導入する。「日常的・ノーマルな異他性」や「構造的な異他性」と区別される「ラディカルな異他性」は、「既存の意味地平を超え出るような限界現象」として定義される。この概念は、いまだ医学的な処方知が完全には確立されていない新型コロナウィルスの特徴を捉えている。さらに本稿では「夜の街」バッシングを取り上げ、これが「日常生活世界におけるラディカルな異他性の外部化」として解釈できることを示している。COVID-19パンデミック下の「日常性」とは、再ルーティン化によって「いつも通り」の思考と行為が可能になっていることと、ラディカルな異他性(馴致されざる不透明性)が顕在化していないことという二重の意味を含んでいる。2021年末現在の日本の状況は、前者の意味では「日常」であると言えるが、後者の意味では「日常」とは言えないのである。 |
URI: | http://hdl.handle.net/10928/1643 |
Appears in Collections: | 第53巻
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