効果が口コミ評価の着眼点に与える影響に関する研究 : ダイエット商品を題材として

Abstract

本研究では，ダイエット商品の口コミについて効果を踏まえた分析を行うことで，評価の着眼点を明らかにすることを試みた。ダイエット商品の口コミデータセットを用いて10商品1万件のユーザーレビューを分析対象とし，「効果」「評価」「ユーザーレビュー」の3つを統合的に分析した。具体的には，効果と評価について，「高評価_効果あり」「高評価_効果なし」「中立_効果あり」「中立_効果なし」「低評価_効果あり」「低評価_効果なし」の6つのグループに分けたうえで，ユーザーレビューの内容に対して対応分析を行った。分析結果より，体重減少というダイエットの効果だけでなく，副作用の有無が評価の着眼点として重要であることが示唆された。加えて，過度な広告や契約形態の問題が低い評価の主要因である可能性が示された。そのため，過度な広告や問題のある契約形態を抑制し，副作用や健康被害に関する情報を適切に開示することで，望ましくない購買を抑制する取り組みが結果的に商品の評価を高めることにつながると考えられる。